ジャパン・タイムズ掲載記事

公園に住む猫たちに支援の手を 
記者取材記事  訳:千貫菊子

ジャパンキャットネットワーク(デイビッド・ワイベンガさんとスーザン・ロバーツさん夫妻が運営する滋賀県の草の根動物愛護団体)は、現在、枚方プロジェクトに取り組んでいるが、協力と支援を切に求めている。

ジャパンタイムズ紙が1月26日の記事で特集した同ネットワークは、3月、枚方市近辺のある公園を調べるよう依頼された。 公園の実情は悲惨で衝撃的だった。健康状態や病状の様々な100匹近い猫が公園内をうろついていた。ジャパンキャットネットワークが提唱するTNR(捕獲→避妊処置→放す)が実践されているような形跡は見当たらず、去勢済みの雄猫も皆無のようだった。公園内には重病の猫が二匹おり、直ちに獣医に連れていく必要があった。

5月1日時点で、同団体は53匹(殆どが雌猫)を捕獲し、避妊処置を施した。今後も捕獲を継続する予定だ。ワイベンガさんは、このプロジェクトを「すごいこと」と捉えている。「関西地区における一般の認識を変える」力をもつと信じるからで、「これまで色々なプロジェクトに関ったが、中でも今回は特にしっかり支えていきたい」。
プロジェクトが開始されてからも、生後2週間の五匹の子猫が公園内トイレでダンボール箱に捨てられているのが見つかった。2匹は既に息がなかったが、3匹は助けられ4時間毎の授乳で育っている。つい先日の月曜日には、別の子猫4匹が捨てられているのが発見された。うち1匹は既に死亡していた。生き残った子猫達は保護され、夫妻が世話をしている。

「寝る暇もないくらい」と、夫妻はてんてこまい。「えさやりを一巡し終えたと思ったら、また次のえさやりの時間が迫って来る」とワイベンガさん。
しかも、現在11匹の子猫を授乳しているため、同ネットワークの台所は火の車だ。そのため、懸命に支援の手を探しているところだが、プロジェクト続行の決意は固い。

同団体では、子猫を預かって育ててくれる飼育経験者、愛情をもって飼ってくれる里親家庭、協力金、猫専用エスビラック粉乳やキャットフードの寄贈などの支援を求めている。また、「近隣にお住まいで直に手伝いたいと思われる方は、当方までご連絡を。」とワイベンガさん。
連絡先は、

Eメールでは、info@japancatnet.com 
ホームページ  http://japancatnet.com

 

ジャパン・タイムズ 掲載記事 @


一石を投じる
ジャパン キャット ネットワーク 夫妻、ノラ猫に救いの手

By THOMASINA LARKIN (ジャパン・タイムズ)  訳:千貫菊子

日本の街を歩いてみたことがある人なら、女性が小型犬にブランドものの衣装を着せて連れ歩いている光景をよく見かけているだろう。
同様に、体中血のついた爛れがある、ところどころごっそり毛が抜けている、そんな汚い、痩せこけた猫が、隠れ場所を求めて近くの隙間や物陰に逃げ込んでいく光景もよく目にしている筈だ。動物愛好家でなくとも、日本では猫は全く放置されっぱなしなことが容易に見てとれる。だから在日外国人は、どうして?対策は取られているのか?と常々不思議に思っている。

「アメリカにいた時は、犬や猫のことは考えたこともなかった。ペットも飼っていなかったし」と15年前に来日したデイヴィッド・ワイベンガは語る。「ところが、ここへ妻と越してきたとき,駐車場でお腹をすかした子猫をちょくちょく見かけ、見過ごせなくなった。そのまま通り過ぎることができなかった。そこで子猫たちを拾い上げ、それから、少しずつ、計画を練り上げていった。」
その計画は明快だ。TNR(捕獲–避妊手術–戻す)という国際的な猫の頭数コントロール・プログラムの方法論に基づき、ワイベンガと妻のスーザン・ロバーツは、ジャパン キャット ネットワークという組織を2000年に立ち上げた。
「哀れな猫を街から一掃することはできなくとも、避妊手術を受けさせることは可能で、それによって爆発的に猫が増えることを防げるのではないか」とワイベンガは言う。さらには、このプログラムはFIVと猫エイズの蔓延を食い止めるのにも役立つことを同氏は付け加えた。
ワイベンガ氏によれば、「日本では猫エイズが蔓延している。FIVに感染した猫は、ケアがあれば、普通に生活できるが、十分なケアが受けられないと健康状態は確実に悪化する」。
「FIVは交尾と喧嘩を通じて感染する。そして喧嘩は交尾をめぐって始まる。交尾は去勢されていないために起こる」と彼は言う。「我々の町で、この計画を実行に移して数年たったが、今いる野良猫はすべて健康体で、まるでペットのようでもあり、私たちの地域の中で魅力的な役割を果たしている。」
TNR方式は、まず、出発点を決めることから始め、その地点から放射状に野良猫を捕獲していき、そして動物病院に捕獲猫を連れていき去勢か卵巣除去を施してのち、再び元の発見場所に返すというもの。そしてその後、世話をする人が、ひき続き状況把握ならびに維持管理を継続する。

「猫がそこに居るには訳がある、」とロバーツは言う。「人がこっそり餌をくれるとか、生ごみをあさるとか。だから猫を移動させては真に問題の解決とはならない。また、不妊手術の後、猫は手術前よりずっと元気良く、非常に健康そうになります。 だからほとんどの場合、元の場所に彼らを戻してやりたいのです。」
「一番の狙いは、これ以上多くの猫が悲惨な状態に陥らないよう、皆さんがかれらの避妊手術をしてくださるよう、お手伝いすることです」、と彼女は語る。
一般に、猫は、他の猫が既に住んでいる地域には住み着かない習性があるので、捕獲した場所に返すことは、その地域の猫の頭数増加を抑えることにも役立つはずだ。

「世界的動物愛護組織SPCAはこの種のプログラムを奨励しており、この町でやってきたことはまさにそれだ」とワイベンガは言い、この種のペット管理は、まだ珍しいとはいえ、日本の各地で徐々に広がりつつあるとも言う。しかしながら、地方では、もっと残酷な方法が今も取られている。
「米国人の7〜9割が自分のペットに去勢か卵巣除去手術を受けさせているといわれ、カナダ、英国、西ヨーロッパにおいても、ほぼ同様の割合だろうといわれている」とワイベンガは言う。「ところが、日本では、ほぼ3割だ」。
「日本の獣医は不妊手術を奨励しない、その結果、猫の飼い主の多くは去勢しないままの猫を自由に出入りさせ、欲しくもない子猫が産まれると、多くの人はそれら子猫を保健所に持っていく、そこで子猫は殆ど例外なく殺処分される_しかも、多くの場合、時代遅れの非人道的な方法で」と、彼は言う。「殺される猫の割合が一番高くなるのは、3月、4月、5月の三ヶ月間なので、みなさんには是非とも、お住まいの地域の猫を去勢するなり不妊手術する努力をできるだけ早く始めていただきたいのです。」

ALIVE(地球生物会議:日本国内で処分される犬猫に関しインターネット上で情報を提供している国際組織)によれば、2004年度に殺処分された猫は243,850頭にのぼる。しかしながら、この数字はおそらく氷山の一角にすぎないだろう。
ワイベンガの指摘によれば、日本人の大半が保健所に子猫を持ち込むとは限らない。
「野原、学校、寺、駐車場、コンビニ店などにも子猫を置き去る。多くの日本人は猫を殺されるとわかっている保健所に連れて行くより、原っぱに放すほうがましだと考える。」  「先進国では大半の都市に必ずある公的施設、動物シェルターはここ日本ではあまり聞いたことがない。珍しくあっても、そこはいつも満員状態だ」とワイベンガは言う。「課題のひとつは、新たに救助されて来る動物のためにスペースを空けておけるよう、こういう場所でペットを見つけたいと思う人をうんと増やすこと、さらにもう一つの難題はそもそも保護の必要な頭数を減らすこと」。滋賀県に本部を置くジャパンキャットネットワークは関西の人々に捕獲罠を貸し出し、輸送の手助けをし、そして定期的な情報会議を開催する。ワイベンガとロバーツ夫妻は、日本全国だれからの質問にも応じ、低コストの動物病院を教えている。

「既にTNR活動をしてくれている人には、彼らが見つけた子猫の飼い主探しを手伝います。」とロバーツ。「子猫の場合、発見場所に返すことはできない。余りにも幼すぎるし、危険だから。また、猫がひどい病気の場合も元に戻しません。かれらのために、我々は飼い主を見つけてやりたいのです。」

「今後の課題ですが、人が動物を購入するのではなく養子として貰い受けられる場所を創設したい。また、短期間しか日本にいない人たちのために動物の里親サービスも提供します」とロバーツは語った。

ジャパンキャットネットワークは飼い主を待つ約50頭の猫を保護している。時間、協力金、物資など、ボランティア支援を募集中。

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